カール・ベーム指揮ウィーン・フィル、ウィーン国立歌劇場合唱団によるモーツァルト「レクイエム」を最近よく聴きます。
 少し前にNHKのEテレでモーツァルト「レクイエム」の演奏が放送されましたが、2019年の演奏よりも、1971年の演奏の方が私の心には響きました。
 録音技術に関しても、音楽研究に関しても、2019年の方が時代は進んでいるはずですが、私はこの演奏が好きです。
 ピアノについても若手が多く育っていますが、リヒテルやポリーニ、アルゲリッチなどの演奏を聴くことが少なくありません。
 聴き慣れたものなので、脳は心地よさを感じているのかもしれません。しかし、違った演奏を聴くことも楽しいものです。その影響なのかJ-POPについても、カバーされている曲を聴くことが好きです。オリジナル歌手がやっぱり一番良いと感じることもあれば、曲によってはカバー歌手の歌声ばかり聴くこともあります。

 さて、そんな音楽を再生するためにはオーディオ機器が必要です。今では、スマホから音楽を手軽に聴くことができます。そのため、コンポというものを知らない若者も少なくないと聞きます。わざわざ部屋の一部を占領するラジカセやコンポーネントを置かなくても、今ではイヤホンをつければ音楽が聴けるのでコンポーネントの市場は縮小しているかもしれません。
 現在のイヤホン(ヘッドホン)は安価なものから高価なものまで存在しており、ノイズキャンセリングなどの機能やワイヤレスなど多機能です。
 そういった時代に生きている若い人たちがコンポーネントのオーディオ世界に足を踏み入れるのか気になります。
 もちろん、趣味性の高いオーディオ世界に興味を持ち入ってくる人もいるでしょう。しかし、ライトなユーザーがプリメインアンプとスピーカーと再生機器を用意するのか私にはわかりません。
 DENON、Marantz、ヤマハ、ソニー、オンキヨー、パイオニアなど比較的安い商品を用意しているので何かの機会にそれらの音を聴くと、コンポーネントの魅力も伝わると思いますが、その音を聴く機会がなかなかありません。家電量販店にいっても、そういったものは置いていないこともよくあります。
 文字や映像にできることは今の時代は伝えやすいですが、音の良し悪しはそもそも手元にある再生機器で左右されますので、実際に触れないことには伝わりません。

 そのようなライトユーザーのことを考えつつ、オーディオ世界の趣味性について考えてみました。
 1メートルのケーブルが十数万円することが私には信じられません。CDを再生する装置が100万円を超えていることも信じられません。私は幸い細かな音の変化を聞き分けられる耳を持っていないので、Marantzのプレーヤーやプリメインアンプで十分です。
 趣味に関してどのようにお金を使おうが自由なので他人がいうことではありません。
 プリウスでいい人もいれば、日産GT-Rじゃなきゃダメだという人もいます。3個200円のアイスでいい人、1個500円のアイスの人もいます。

 そういった趣味の違いを踏まえても、200万円もするSACDプレーヤーはどんな音を出すのでしょうか。
 ※高ければ良い音が出るというわけではありません。以前、3万円で売っていた大手家電メーカーの商品の中身を使って、それほど手を入れることもせずに、100万円で売っていた所がありました。ほかにも、天然木を使ったり、24金の装飾など、音とは別の部分にお金が使われているため高額という場合もあります。