ドラマ「やすらぎの刻」もあと数週間で終わる予定です。戦前から始まった「道」も東日本大震災の時まで進みました。風間俊介さんから橋爪功さんへ、清野菜名さんから風吹ジュンさんへ、人々の大河を見せられました。
 橋爪功さんは認知症のような様子が見られます。劇中では90歳なので身体の衰えと同様に精神的な衰えも見られることは当然なことでしょう。人生の終末に向かっているこの夫婦がどのような最終回を迎えるかは大変気になるところです。
 このドラマは、野際陽子さん、梅宮辰夫さん、八千草薫さんなど亡くなるその瞬間まで役者をされていたことを感じさせてくれます。梅宮辰夫さんはドラマの復習のために定期的に登場していました。実際に亡くなられた後も出演されています。
 そういった死の直前まで活躍されている姿を見ると「死とは長く床に臥す先にあるものでは必ずしもない」ということを改めて感じさせてくれます。
 もちろん、寝たきりや長期療養の末に亡くなるという場合もありますが、数日の内に死に向かうという場合もあります。
 末期がんの治療において、緩和ケアが認知されるようになり、生活の質というものも意識され、どのように生きるのか、死に向かうのかを考える機会が持てるようになりました。
 治療かホスピスかという二者択一の時代は昔のものとなり、治療と緩和はセットの時代になりました。生き方や死に方を選択できる時代です。