のび太を立派な大人にするためにドラえもんはのび太の所へ来ていると私は記憶しています。
 しかし、ドラえもんの便利な道具に依存するのび太の姿を見ていると正しい判断なのかと疑問に感じます。
 映画になると、のび太は強くなることはよく知られています。日ごろ弱々しいのび太が映画ではリーダーシップを発揮して仲間たちを鼓舞します。
 けれど、そんなのび太もドラえもんの道具がなければ力を発揮しません。
 今年の映画は周年記念作品のようですが、新型肺炎の影響で3月の当初予定日には公開されていません。
 過去の映画作品を最近見る機会がありました。1980年代の公開当初に見かけた時に感じた印象とあれから何十年と重ねた現在抱いた感想は違いました。
 夏目漱石の「こころ」を高校生のころ、40歳のころ、60歳のころでそれぞれ思うことは違うということと似ているかもしれません。
 のび太の視点、親の視点、おばあちゃんの視点など他者の感情を推し量る余裕ができました。そんな今、改めてのび太という人間を眺めてみると現在の私の精神状態に影響されているためなのか、のび太のダメな部分ばかり気になります。